個人事業の事業的規模
1 事業的規模の判定
この不動産貸付けが事業として行われているかどうかによって、所得の計算上その取扱いが異なる場合があります。不動産貸付けが事業的規模 かどうかについては、原則として社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかによって、実質的に判断します。
ここで、社会通念上の事業的規模とは、次により判定します。
- 貸付資産の規模
- 賃借料の収入状況
- 貸付資産の管理に係る特別の人的、物的施設の設置等
しかしその判定は容易なものではないために、次の外形基準のいずれか一つに該当する場合には、事業として行われているものとして取り扱われます。
- 貸間、アパート等については貸与することのできる独立した室数が おおむね10室以上であること。
- 独立家屋の貸付けについてはおおむね5棟以上であること。
(注)共有者がいる場合は、共有持分であん分した室数・棟数ではなく、実際の室数又は棟数により判定します。混有している場合には、以下の例のように個々を按分して計算します
独立家屋3棟と貸室4室 ⇒ 3棟+(4室÷2)=5棟
マンションの場合、維持管理に要する役務の程度等は、アパートの貸室と近いものがあるので、各戸は1棟ではなく、1室として判定します。
土地の貸付けの場合は件数5を貸室1室に換算して判定します。
(例)ガレージだけの場合は、50件以上貸していれば事業的規模になります。
⇒ 50÷5=10室相当
この外形基準は、この基準を満たしていれば事業的規模として取り扱ってよいというものであり、これを満たさなければ事業的規模に該当しないと判定されるものではありません。
この基準で判定できない場合には、賃貸料収入の状況、貸付物件の規模、貸付物件の管理状況等
(管理のための特別の人的、物的施設の有無)の個々の事情を総合勘案して判定することとなります。
2018年4月27日